ミネラルの話①
今回はカルシウムの話です。
★欠乏症について
カルシウム:筋肉を縮ませる働き⇔欠乏すると「だら~ん」
いわゆる低カルシウム血症
→筋肉が動きにくくなる
起立不能 足腰の筋肉が動かない 腰抜け
消化障害 胃腸が動かない
子宮内膜炎 悪露(オロ)を排出できない
乳房炎 乳頭口のしまりが悪くなる バイ菌が入りやすくなる など
********************************************************
★どういうときに欠乏するか
低カルシウム症になる代表的なパターンは、
①血液中のカルシウム濃度が低くなると骨を溶かしてカルシウムを補給するという働きが動物にはある。
②この働きにはタイムラグがあり、年を取るにつれ鈍くなる(骨が溶けにくい)
③最大のカルシウム消費は産乳(ミルクにはカルシウムタップリ)
④産前は乳も出していないのでカルシウムが十分にあり、カルシウム不足という危機感がない状態(平和ボケ?)。そこにいきなりお産。
⑤産後急激に大量の乳を生産するザーネンヤギやホルスタイン牛は一気にカルシウム不足になるが、骨は急には溶けてくれない。
⑥低カルシウム血症のできあがり(初産ヤギは若く骨が溶けやすいので、低カルにはなりにくい。)
★どうすれば良いか
①ひとつの方法として、産前の1週間くらいワザとにカルシウム不足にする(給与しない)。
②すると産む頃には骨が溶けやすい体になっているので、急なカルシウム不足に対応できやすい。
③また産後すぐに液体カルシウム添加剤を飲ませると良い。牛では産後みそ汁にカルシウムとビタミンを混ぜて飲ませている。高齢のものは産気づいてから飲ませることもある。
★注意点
①あまり長く人為的カルシウム不足にすると骨の貯金(カルシウム)が少なくなる。
②産前以外はカルシウム補給はしっかりとし、カルシウム貯金を貯めておかなければならない。
③育成期に十分な運動とカルシウム&タンパク質をとって骨を丈夫にしておくことも重要。
④ヤギの普段のカルシウム源として最も重要な飼料は「草」。
⑤乳量が多い場合は、カルシウム剤を活用。
⑥穀類にはリンが多く含まれ、過剰給与はカルシウムとリンのバランスが崩れカルシウム不足になりやすい。ヌカ類(米ヌカ、フスマなど)はリンが非常に多い。
ちなみにマグネシウムの働きは筋肉を緩めることです。これについては後日書きます。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
すごい^^
勉強になります
投稿: どんちゃんパパ | 2008年3月 8日 (土) 09:52
苦労させられましたから・・・^^
投稿: T | 2008年3月 9日 (日) 11:11